皆さんこんにちは!
株式会社東洋アーク、更新担当の中西です。
TIGは非消耗電極+不活性ガスで入熱とプールを緻密に制御でき、薄板・配管ルート・SUS・Ti・Alで無二の成果を出します。清浄・シールド・入熱の三点を“儀式化”しましょう。✨
1|電源・極性・ACバランス
• DCEN:鋼・SUSの基本。溶け込み深く、タングステン消耗小。
• AC(Al/Ti等):クリーニング作用で酸化皮膜破壊。バランスを整え、熱入力と皮膜除去を両立。
• パルスTIG:ピーク/ベースでプールの温度を管理、薄板すき間に強い。
2|タングステンと先端研磨
• 種別:純W、2%トリウム(近年はセリウム/ランタン系推奨)、ジルコニア(AC用)。
• 径:0.8/1.6/2.4/3.2mm。電流に合わせ選定。
• 研磨角:30〜60°。軸方向研磨でアーク集中、同心円研磨は厳禁。
• ボール化(AC):過度はアーク拡散→適度な丸みに留める。
3|トーチ・カップ・ガスレンズ
• カップ#4–#12を使い分け。大カップ+ガスレンズで長い突出でもシールドを保持。
• ガス:Ar主体、厚板・高熱でHe混合。流量8–15 L/min(大カップは増量)。
• トーチ角:10–15°、押し(プッシュ)が基本。
4|前処理と清浄(儀式)
1) 脱脂(アセトン等)→乾燥。
2) 機械ブラシ(材質専用、SUSに鉄粉混入厳禁)。
3) 化学的皮膜除去(必要に応じ)。
4) 手袋交換(油汚れ移行を防止)。
5|裏波とトレーリングシールド
• 裏ガス:Ar(SUSはN₂微量可)。パージダムでガス節約。
• トレーリング:後方シールドでヒートティント抑制、Tiは色判定(銀〜金良好、青は過酸化)。
• ルートギャップ:板厚・姿勢に応じ最小限、ブリッジング禁止。
6|溶加棒の選定
• SUS:308L/316L/309L。
• 炭素鋼:ER70S-2等(脱酸力)。
• アルミ:4043(Si系)/5356(Mg系)。
• チタン:純Ti/合金同等材。清浄・乾燥が最重要。
7|運棒とプールコントロール
• 点滴追加:プールの先頭に一定量を規則的に落とす。
• パルス:ピークで濡れ、ベースで冷却→歪み低減。
• クレータ処理:出力ランプダウン、戻しで終端気孔を防ぐ。
8|薄板・極薄の戦術(0.5〜1.5mm)
• 銅板裏当てで放熱。
• 点付→間詰、連続禁止で熱溜りを避ける。
• ギャップゼロ設計と固定。ピンセット・磁石で“手が三本”状態を作る。
9|配管ルート(SUS 6G想定)
• ハイロー管理(段差)をゲージで。
• 裏ガス流量とパージ時間の標準化。
• ルートパスは微細な“置き”、停止厳禁。
• ホットパス以降はGTAW/GM AW切替も可。
10|アルミのAC設定
• 周波数:高周波数→アーク集中、細ビード。
• バランス:クリーニング多すぎ→端部曇り、少なすぎ→酸化残り。
• スタート:プリフロー・ソフトスタートでブローホールを抑制。
11|トラブル例と是正
• 気孔:水分・油・ガス不足→脱脂・乾燥・流量見直し。
• 焼け(ヒートティント):裏・後方シールド不足→カップ増・流量↑・トレーリング。
• 黒いすす:トーチ角過大・ガス乱流→角度修正・流量最適化。
• タングステン混入:先端溶落ち→電流↓・突出↓、先端再研磨。
12|チェックリスト
☐ 前処理(脱脂→ブラシ→化学)
☐ タングステン径・研磨角・突出
☐ カップ番号・ガスレンズ・流量
☐ 裏ガス/トレーリング設定
☐ パルス設定とクレータ処理 ✅
13|ミニケース:食品配管の裏波色
現象:裏側に茶〜青の焼け。
是正:パージ延長、流量適正化、トレーリング追加、酸洗→不動態化。色基準表で合否を統一。
14|まとめ
TIGは“清浄×シールド×入熱”の三位一体。色・音・プールの形を言語化し、写真標準で共有すれば、薄板・配管の品質は安定します。次回はFCAWへ。
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